ワインの製造工程「コラージュ」から生まれたフランス伝統洋菓子「カヌレ」

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こんにちは。

コラージュ手帳協会認定

手帳講師の佐藤百合です。

突然ですが、「コラージュ」の意味をご存じですか?

「コラージュ」とは、絵画の技法でフランス語の「糊付け」を意味する言葉です。

通常の描画法ではなく、あらゆる性質とロジックのバラバラの素材を組み合わせることで、壁画などの造形作品を構成する芸術的な創作技法のことを表します。

アートの意味で浸透している「コラージュ」という言葉ですが、実はワインを製造する工程の中にも「コラージュ」という言葉が出てきます。

これは大切な工程のひとつで、「コラージュ」をしないと、美しい透き通ったワインに仕上がらないのです。

ワインの「コラージュ」にはどういう意味があるのでしょうか?

そして、「コラージュ」を行うことで生まれた、フランスの伝統洋菓子があるんですよ。

美しい透き通ったワインのための「コラージュ」とは?

ワインを製造する際の工程「コラージュ(college)」は、フランス語で糊付けの意味であるcollerから名付けられました。

「コラージュ手帳」の「コラージュ」と同じく、どちらも「糊付けする」という意味を用いているのですね。

ワインの「コラージュ」は「卵白清澄化」の工程のことを指します。

「卵白清澄化」とは赤ワイン中に浮遊している、渋みのもとになるタンニンを「卵白」を用いて取り除く作業のことです。

新鮮な卵の白身を「ボンタン」と呼ばれる木の椀に入れて撹拌し、ワインの入っている樽の中に流し込んでかき混ぜます。すると、卵白に含まれる「アルブミン」という蛋白質が、渋みのもとになっているタンニンを吸着していくのです。

そして2ヶ月程経つと、タンニンを吸着して重くなった卵白は澱(おり)となって沈殿し、美しく透き通った美味しいワインが出来上がります。

ワインの「コラージュ」は「卵白とタンニンを糊付けする」という意味なのですね。

これは17世紀頃から、フランスのボルドー地方で使われている工程で、卵は一樽に3個〜5個程度を使用します。

他の地域や国では、「ベンナイト」という粘土の一種やゼラチンを用いることもあるそうです。

この清澄化をしない「ノン・コラージュワイン」も製造されていますが、やはり透明度は低く、渋味や雑味があり複雑な味になっています。

でも、それが自然の風味、本来のワインだと主張する人も多いようですね。

コラージュから生まれたフランス伝統洋菓子「カヌレ」が再ブーム

美しく透き通った美味しいワインを作るための工程「コラージュ」では、卵白を大量に使用するため、卵黄余ってしまいます。

それを無駄なく美味しく食べるために考えられたのが、フランスの伝統洋菓子「カヌレ」です。

「カヌレ」は正式名称を「カヌレ・ド・ボルドー」といい「ボルドー地区の溝の入ったお菓子」という意味。ボルドーの女子修道院で古くから作られています。

バターとラム酒がたっぷりの生地を一晩寝かせ、蜜蝋またはバターをたっぷりと塗った専用の「カヌレ型」でじっくりと焼き上げます。

表面はカリッと香ばしく、中はしっとり柔らかでもっちりとした食感。

ラム酒の風味が豊かで、重厚感のある食べ応えの洋菓子です。

「カヌレ」はそのまま食べても美味しいですが、オーブントースターやオーブンレンジで温めて食べるのもオススメです。表面がさらにカリッとして、バターとラム酒の風味がより味わえます。

「カヌレ」のくぼみのところに、クリームやフルーツをトッピングすると、華やかでオシャレなデザートに変身しますよ。

1990年代、日本ではティラミスを筆頭に、様々な外国の洋菓子がブームになり、1995年に流行したのが「カヌレ」でした。

そしていま、じわじわと再ブームが起き始めているんですよ。

以前のブームの時より、こじんまりした大きさで、様々なフレーバーやアレンジメニューが出ています。

一大ブームになるのか、いま注目のスイーツなんです。

美味しいワインを作るための副産物として生まれた「カヌレ」は、やはり赤ワインとの相性が抜群なんですよ。

様々な素材を糊付けして重ね、作品にすることも、余分なものを吸着させて取り除き、美味しい作品に仕上げることも、どちらも「コラージュ」なんですね。

真逆の工程なのに、同じ言葉を用いていることがとても面白いです。

「コラージュ」という言葉には、奥深さがありますね。

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